地震災害の非常時に「いのち」をつなげる活動

「備えあれば憂いなし」いま注目される震災対応型プロパンガス

未曾有の被害をもたらした東日本大震災以降、政府では大規模集中型エネルギー(電力・都市ガス等)への依存を減らすため、国策で指定避難施設等の公的施設を対象とする補助金適用によるエネルギーの分散化「都市ガス→LPガス」への転換が、いま加速しつつあります。

LPガスを利用していた実家知人宅に身を寄せた被災者

先の震災時、仙台市の東部地区に位置する都市ガス供給地域において、都市ガス埋設管の復旧に想定以上の時間を要し、生活困難者が世帯ごとに何十キロも歩いてLPガスを利用している実家・知人宅に移動した光景が散見されました。

当時、ガソリンの供給制限もあり、自家用車の利用ができないための苦渋の決断です。実際、都市ガス供給会社の仙台市ガス局全面復旧は36日を要し、世帯平均二週間以上はガス供給停止が続いたことになります。都市ガス利用の各世帯は、生活維持の環境が閉されたのです。 ...続きを読む

コンビニや各店舗の食料品は一斉に無くなり、被災地は予想だにしない飢餓の世界に突入しました。幸い、土地柄で農家や田畑が多く、住民同士の助け合いで、支援物資が到着する4日後まで何とか「いのち」をつなげることができたのですが、その生活に困窮した現地の惨状については、あまり報道されておりません。


世論時報 平成27年7月号
「話題」として渡り取り上げられました。

同規模の災害が首都圏で発生した場合、全国からの支援物資が可及的速やかに届けば問題ないのですが、火災やビル倒壊でインフラが崩壊する状態となり、東北地域とは比較にならないほどの瓦礫と車両とで塞がれた道路状況では、いかに自衛隊の装備でも援助物資が地域によっては1週間近く届かないという惨状が予想されます。

行政側でも、このような事態を把握しており、地域ごとに非常食を備蓄する政策を推進していますが、被災3日後の首都圏では720万人もの自宅生活困難者が出て、避難生活を余儀なくされるだろうと言われています。

限られた避難施設では、720万人にも及ぶ避難者の受け入れ態勢が困難であることは明白です。この点に関しては、何らかの追加対策が必要であるという事です。

一番重要なことは、支援物資到着までの「水・食糧」の確保であることはいうまでもありません。それと同時に、一般家庭には乾物類・インスタント即席めん・米・買い置きの野菜等の備蓄は多少あっても、「火」が使えるかどうかという、問題があります。

プロパンガスは、デリバリーの問題もあり、常時各世帯に軒下在庫を抱えています。その熱量は、一般家庭の通常生活で1カ月も維持できる在庫を保有していることから、貴重なこの分散型エネルギーが最近注目されつつあるのです。

震災型プロパンガスの普及促進活動を行っています

一般社団法人プロパンガス料金適正化協会では、社会貢献活動の一環として、大手ガス会社数社のご協力のもと、「震災型プロパンガス」の普及促進活動を行っています。現在、都市ガスを利用の集合住宅(オーナー)・戸建て世帯に対して、プロパンガスへの燃料転換をお勧めしています。それは、震災時の「いのち」をつなげる拠点づくりの活動です。...続きを読む

一戸建ての場合

①都市ガスと同一料金設定で供給の約束。(特例措置)
②備蓄水・非常食その他の防災セット無償。
③LPガス仕様給湯機器・ガス代の原価交換。(工事無料)

アパート・マンションの場合(実質オーナー負担なし)

①都市ガスと同一料金設定で全世帯供給の約束。(特例措置)
②災害用ガス発電機・炊き出しセット無償貸与。
③全世帯LPガス仕様給湯機器・ガス代の無償交換。

適用条件

この活動は、大手LPガス販売企業数社の会社貢献事業としての企業努力で実現しました。先に述べましたように、震災時の「いのち」をつなげる拠点づくりを掲げており、その適用条件は以下の通りになります。

①提供地域は首都圏限定。(順次エリア拡大)
②ガスボンベ設置スペースの確保が可能であること。
③震災時の約束。

・一戸建ての契約世帯は、近隣世帯に対して「炊き出し」をお裾分け。
・集合住宅では、地域住民に対して「炊き出し」解放契約。

首都圏の都市ガスエリアでは、大震災時には半年以上も復旧期間が必要とされています。都市ガス利用の消費者は、このような地域性を良く理解し、地震に備えてカセットコンロ、予備カセットボンベの用意は万全でしょうか。
「備えあれば憂いなし」です。一度家族の皆さんでチェックなさってみてください。万が一の際の、家族の「いのち」をつなげる話になるかもしれません。

東京都の災害時におけるLPガス活用に関する検討

東京都の動向

現在、東京都では都市ガス供給エリアが広範囲にわたっていて、避難所についても約9割が都市ガスを使用しているほど普及率が高くなっています、都市ガス事業者は、「予防」、「緊急」、「復旧」の3本柱で、万一の事態に備えた万全の地震対策に努めていますが、大震災が発生した際には、安全確保のためガス供給を停止にする場合があります。...続きを読む

そのため、都市ガス事業者による安全の確保と被害の復旧が行われた後に、都市ガスが供給されるまでの間、避難所では都市ガスの代替となる熱源が必要となります。

「東京都防災対応指針」では、災害時における代替エネルギーの一つとしてLPガスの活用などについて検討をすることにしています。

都市ガスは、復旧するまでに日数を要するのに対し、LPガスは可搬性が高く、設置しやすいという利点があります。現在、国においては東日本大震災の状況を基に、今後LPガス安全供給の在り方に関する検討会を設置しています。そして、震災におけるLPガス供給関連の被災状況、復旧状況、震災後の需給動向などについて調査、分析し、大規模災害時におけるLPガス安定供給の在り方について検討を行っています。

東京都地域防災計画

東京都地域防災計画(平成24年修正)では、災害時におけるLPガスの活用に関する取り組みとして挙げられている内容は次の通りです。...続きを読む

予防対策
〈都環境局〉
○災害時に都市ガス等のエネルギー供給が停止した場合など、災害時のエネルギー源としてLPガスを有効に活用する方策について検討する。

応急対策
〈東京ガス〉〈ガス事業者〉
○震災により都市ガス施設に被害が生じた場合、都と一般社団法人東京都エルピーガス協会が協力し、避難所にLPガスを救援物資として供給するよう努める。

復旧対策
〈都環境局〉
○LPガスの使用の再開に当たっては、安全の確保を十分に行う必要がある。このため、都は、一般社団法人東京都エルピーガス協会の点検体制の確立について支援を行なう。
〈東京ガス〉〈ガス事業者〉
○ガスの供給を停止した場合の復旧作業は、被災地域の施設または設備の復旧を可能な限り迅速に行なうと共に、二次災害を防止するため、あらかじめ定めた手順により実施する。

【東京都・「災害時に対するLPガスの活用に関する資料」抜粋転載】